1年2ヶ月ぶりの温故知新。
老荘寄りの僕には珍しく孔子様のお言葉。
「正鵠を失う」セイコク(ウ)ヲウシナウ
「的を得る」という言葉がありますが、これが語源と言われています。
正はトビ、鵠はハクチョウ。正鵠とは鳥の絵を描いた的の事。
この言葉はこんな感じで出てきます。
「射は君子に似るあり。 諸れを正鵠に失はば、反りて諸れを其の身に求む。」
射は当時の弓の競技かな?弓道として(中国にはないが)意訳すると、
「弓道は君子(立派な人)と同じようなものだ。的を外れたら(的のせいにしないで)自分の技量に原因を求める」
となる。
まあなんと、上手くいかない事の原因に自分以外を挙げる機会の多い事か!
思い当たる節がいくつもありすぎます。
正鵠を失うというのは、単なる的外れの意ではないと思う。
正鵠を失った先の事は、あながち見過ごせない。
まずは正鵠を失わない事、そして失った後の事。
今回は自戒の意味でここに挙げます。
(原文)
『中庸』第三十一章
射有似乎君子
失諸正鵠 反求諸其身